玉露は栽培に手間がかかり、栽培量も少ないことから高級茶に位置づけられています。
そんな玉露がどのように栽培され加工されるお茶なのか、またどのような淹れ方でよりおいしく飲めるのかという点について詳しくお伝えします。
玉露の定義
玉露は被覆栽培で育てられた茶葉の1つです。
新芽が出たタイミングから摘み取りまでの間、または摘み取りの約3週間前から摘み取りまでの間に覆いを被せ日光を遮って栽培した茶葉です。
同じく被覆栽培をするお茶の中にはかぶせ茶もありますが、かぶせ茶の場合は覆いを被せる期間が玉露と異なります。
かぶせ茶が日光を遮られる期間は1~2週間と玉露よりやや短めです。
さて玉露には旨味成分のテアニンが多く含まれています。
このテアニンは茶葉が日光を浴びることで渋み成分のカテキンに変化するのですが、玉露の場合は被覆栽培の影響でこのテアニンがカテキンに変わりません。
そのため渋みが少なく旨味が感じられるお茶になるのです。
カフェインがあるのにリラックス作用がある!?
玉露の旨味成分テアニンには神経の興奮を抑える働きがあることから、玉露を飲むことでリラックス作用が期待できます。
玉露にはカフェインも含まれているのですが、テアニンがカフェインの働きを抑えることからカフェインの持つ興奮作用が生じにくい傾向にあります。
煎茶と玉露の違い
煎茶も玉露も蒸し製の不発酵茶という点は同じです。
一方で栽培方法に違いがあります。
煎茶は摘み取りまで日光を浴びせて育てるのに対して玉露は日光を浴びせず、遮光率70~90%という環境で栽培されます。
なお摘み取り後の工程に違いはありません。
煎茶、玉露ともに摘み取った後は蒸す、揉む、茶葉の選別、火入れ、茶葉の合組という過程経て販売されます。
来客用のお茶としてもオススメ
玉露は栽培過程で覆いを被せるといった手間がかかることから高価な傾向にあります。
ランクの高いお茶であるのに加えてテアニンが旨味を感じさせてくれることから、お客様をおもてなしする時に出すお茶としてオススメです。
玉露をよりおいしく飲む淹れ方
お湯出しで玉露を淹れる場合、茶葉3gに対し60℃のお湯を300ml注いで150秒待ちます。
こちらの淹れ方で程良い味わいのお茶になります。
やや低温のお湯で淹れることでカテキンによる渋みが抑えられ、玉露ならではの品のあるまろやかな味わいを楽しむことができます。
そして水出しの場合は茶葉3gに対して0~30℃の水を300ml注ぎ、5時間待機します。
元々渋みや苦みの少ない玉露ですが、渋みが抑えられる水出しで淹れるとよりスッキリとした味になります。
まとめ
日光を遮って栽培される玉露は渋みが少なくしっかりした旨味があるお茶のため、お客さんに振る舞うお茶としてもオススメできます。
またカフェインの作用が出にくいお茶なので、夜に飲んでも眠れなくなる可能性が低く安心です。